東京芸術劇場でマンドリンオーケストラを!
- 松村先輩が4年生の第63回定期演奏会は、あの東京芸術劇場大ホールで開催されましたね。その経緯をお聞かせいただけますでしょうか -
当時、私の代も含めて部員の人数が非常に多かったです。予算も準備できそうということでしたので、それなら立派な会場で開催しよう!ということで挙がったのが東京芸術劇場でした。
- 東京芸術劇場のような本格的なコンサートホールですと、開催にあたって通常とは異なることが多いのではないでしょうか。 -
そうですね。まず審査があり、ホールによる審査を通過しないと使用を認めてもらえないのです。
そこで、過去の演奏会のパンフレット、演奏音源、ビデオなどを用意して、しっかりした演奏活動を行なっている団体であることを認めてもらうようにしました。
他方で、関係者へ直接説明や陳情を行ったとも聞いております。 そのお陰で、無事にホールの使用を認めていただくことができました。東京芸術劇場大ホールでのマンドリンオーケストラ単独公演は、私達が初めてであったと思います。
その他、集客や公演方法についても要求がありました。
入場料が無料であったり格安であることも認められないということでしたので、これまで無料〜500円であった入場料を「当日1000円/前売800円」としました。
学生マンドリンオーケストラの演奏会で入場料1000円というのは、当時の私達としてもプレッシャーがかかりましたね。
なおかつ、客席を十分に埋めないといけないということで、広報活動も例年以上の努力が必要となりました。こちらが当時の広報チラシで、初めて「写真入り」のデザインにしました。現在ではまったく珍しくないと思いますが、当時としてはかなり珍しく、実は費用も通常以上にかかっているのです。
そのような努力もありまして、演奏会には1403人の動員をすることができました。記念演奏会でもない通常の定期演奏会でこれだけ集客できたことは、私達としても誇らしく感じております。
- この演奏会では委嘱初演作品を演奏されていたと思うのですが -
この曲については、残念ながら再演することが難しい事情があります。私からこのような場で詳しくお話することは難しいのですが…
この演奏会に限らず、春の第62回定期演奏会ではバロック音楽を特集して「ブランデンブルク協奏曲第3番」を演奏するなど、CUMCとして新しい様々な試みをさせていただきましたね。
今や私も、あの頃の先輩方より…
今回、第125回記念定期演奏会の合同ステージに参加させていただきましたが、驚きましたね。当時、大先輩と思っていた先輩方、例えば高橋信男先輩(1972年卒)とは21年差なのですが、私と現役学生とはもう30年以上の差なのですよ。
そう考えると、私が思っている以上に彼ら学生は私に気を遣っているのでしょうね。私もそこは気を遣って大人しく(笑)参加させていただきますが、それだけ長くCUMCの活動が続いてきたということを改めて感じる場となりました。
(2023年11月19日 取材)